【無料テキスト】宅建業法 住宅瑕疵担保履行法

宅建の無料テキスト 宅建業法の住宅瑕疵担保履行法

重要度:S(毎年出題される)

住宅瑕疵担保履行法は宅建試験の宅建業法の分野から毎年出題される超重要論点です。

しっかりマスターしましょう!


宅建業法 第8章:住宅瑕疵担保履行法

(1)住宅瑕疵担保履行法とは

新築住宅に欠陥があった場合、買主は売主である宅建業者に対して瑕疵担保責任を追及できます。しかし、売主が倒産してしまうとその責任を追及できません。

そのため、宅建業者に「資力確保義務」を課すことで、買主の救済を確実にするために作られたのが住宅瑕疵担保履行法です。

※この法律は宅建業法ではありませんが、試験では宅建業法の分野から出題されます。過去問に繰り返し出るため、重点的に学習しましょう。


(2)宅建業者の資力確保義務

【対象となるケース】

  • 宅建業者が売主
  • 買主が業者でない一般消費者
  • 新築住宅売買契約(貸借は対象外)

宅建業者は以下のいずれか、または併用によって資力を確保しなければなりません(資力確保義務)。

  • 住宅販売瑕疵担保保証金の供託
  • 保険契約の締結

ポイント整理:

① 資力確保義務が目的
② 対象は「宅建業者が自ら売主」「買主が業者でない」の場合のみ
③ 新築住宅に限る

給水設備ガス設備の瑕疵はこの法律の対象外です。


(3)供託制度の概要

宅建業者は「欠陥住宅を売ってしまったときに備えて保証金を積んでおく」制度です。
買主が欠陥を見つけた場合、供託所から還付を受けることができます。

営業保証金の供託と似ています。


(3-1)供託所の場所

宅建業者の主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。


(3-2)供託金額と供託時期

  • 金額:過去10年間の新築住宅供給戸数に基づいて算出
    ※床面積が55㎡以下の住宅は2戸で1戸と数える
  • 時期:毎年3月31日(基準日)から3週間以内

イメージ:「いっぱい売ったらいっぱい供託する」


(3-3)保証金の不足補充

還付により不足が生じた場合は、2週間以内に追加供託し、免許権者に届出。


(3-4)保管替え

営業保証金と同様の方法で可能。内容により以下の手続きをします。

  • 金銭のみ → 保管替えを請求
  • 有価証券を含む → 二重供託してから旧供託金を回収

(3-5)説明・交付義務

契約前に供託所の所在地などを記載した書面(または電磁的記録)を買主に交付して説明


(3-6)取り戻し

新築住宅の引渡しから10年経過後、基準額を超えた部分については取り戻しが可能(免許権者の承認が必要)。

対象者:

  • 売主業者
  • 売主だった者
  • 売主業者の承継人

(4)保険制度による資力確保


(4-1)保険契約と保険金の支払

  • 宅建業者が、指定保険法人と10年以上の保険契約を締結
  • 保険料は宅建業者が負担

保険金の支払:

  • 原則:宅建業者に支払われる(修補に使用)
  • 例外:宅建業者が履行しないときは買主に支払
  • さらに例外:故意・重過失の瑕疵には支払われない(自費で修補)

※「保険金は買主に支払われる」と思いがちだが、原則は宅建業者に支払われる点に注意。


(4-2)保険契約の内容要件

  • 保険料は売主業者が支払う
  • 保険金額は2,000万円以上
  • 有効期間は引渡しから10年以上
    ※これらの変更・解除は原則不可(国交大臣の承認がある場合を除く)

(4-3)書面・電磁的記録の交付

保険証券、またはそれに代わる書面・電磁的記録を買主に交付する義務がある。


(4-4)紛争処理と転売時の注意点

  • 指定住宅紛争処理機関(住宅紛争処理支援センター)での相談が可能
  • 新築住宅が10年以内に転売されても保険契約は解除できない
    ※請求権は転売主にあり、買受人は転売主に請求するか債権者代位で請求

(5)届出義務(供託・保険共通)


(5-1)届出内容・期限・提出先

毎年3月31日(基準日)から3週間以内に免許権者へ届け出が必要。

届出内容:

  • 過去10年間の新築住宅引渡戸数
  • 供託・保険契約による履行確保戸数

要するに、「ちゃんと供託や保険をしているか報告する義務」。


(5-2)届出を怠った場合

  • 基準日から50日経過後、新築住宅の売買契約ができなくなる
  • 違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくは併科

試験対策まとめ

  • 対象は「宅建業者が売主」「買主が業者でない」「新築住宅の売買」
  • 資力確保は供託・保険のいずれか(併用も可)
  • 説明・交付・届出はすべて必須
  • 保険金の支払先に注意:原則は宅建業者、例外で買主